はじめに
NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の放送は非常に助かっています。どんな仕事してるんですか?と聞かれて、大河でやってる物語で、といえば説明がつくようになったからです。普段は小学校でやってた、彫刻刀、覚えてます?、「あああ!版画ね」、長谷園さんが昔、お茶漬けのりの袋の中に入れてた浮世絵を摺ってるんです。みたいな感じで説明。ワークショップやイベントなども集客しやすくなっているでしょうし、企画も増えて、販売する機会も得やすいです。
普段の私は大河ドラマはイッキミする癖がついています。まとまって見ます。余談ですが、アニメもその調子で見るので、ネタバレに弱いです。
先日、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』イッキミ中、第6話で登場した「節用集」の小道具が、印刷だったのを見て、”どーなっているんだ~”CHATGPTに調べてもらったら、さすがO3、詳しく、印刷であることの実証をはじめました。調べた結果が実は木版画ではなく現代の印刷物(オフセット刷り)ではないか――。そんな“印刷疑惑”がSNSの一部コミュニティや同人印刷経験者の間で話題になっているとのこと。この記事では、ドラマ放送直後から現在までの流れを時系列でまとめ、専門家目線で検証ポイントを解説しつつ、国内外の事例比較や今後の考証への提言まで網羅的にご紹介します。
1. 発端:放送直後の視聴者気づき
ドラマ放映(2025年2月9日)
第6話冒頭で、主人公らが手にする折本のような冊子が登場。
一見すると和綴じの写本風だが、光の当たり方や色面の均一さに違和感。
第1のつぶやき(2/9 23:15頃)
同日中にX(旧Twitter)で「これ、むしろフルカラーオフセット本だよね」との投稿。
投稿者は同人印刷や冊子制作を手がけるアカウントで、リプライを含め数十件の賛同を集める。
2. 検証ポイント:何を見れば印刷か分かるのか
2.1 網点(ハーフトーン)の有無
木版画:溝に残った絵具を摺り込むため、色面は微細な筆跡や凹凸が見える。
オフセット印刷:CMYK 4色のドットが規則正しく並ぶ「網点」が確認できる。
2.2 光沢・紙質感
和紙写本:乾燥した顔料の凹凸や繊維の透け感がある。
コート紙印刷:表面がフラットで均一に光を反射する。
2.3 色ズレ(版ズレ)
手摺り版画:色面ごとに摺り位置を手調整するため、輪郭がわずかにぼやける。
印刷:版ズレによるホワイトフリンジやシアン・マゼンタの微小なズレが生じやすい。
3. SNS・業界内反応のまとめ
プラットフォーム | 主な指摘内容 | 備考 |
---|---|---|
X(旧Twitter) | – 「フルカラーオフセット本にしか見えない」- 「墨一色刷りならコピー本で間に合う」 | 同人・印刷経験者中心に賛同多数 |
Girls Channel実況スレ | 「印刷」「オフセット」のワードはほぼ不在 | 一般視聴者の大多数は気づかず |
印刷業界系ブログ/FB | 軽く「現代的な印刷に見える」と言及 | 業界視点の雑談レベル |
4. 海外事例との比較
ヨーロッパ:中世写本や古版画ドラマで考証ミスがあると、美術史家・博物館が即批判。公共放送は貸し出し条件を厳格化。
北米:文化盗用問題に発展し、Cultural Consultants(文化顧問)の起用が常識へ。公式謝罪&再撮影も珍しくない。
中国:故宮レベルの文化財登場時は文物局のコメント要請、番組サイトで「展示レプリカ」表記を義務づけるケースあり。
5. 今後の提言
専門家チームのルーペ検証:和紙繊維や網点確認のため、撮影前にルーペ撮影画像を提出させる。
実演協力の明示:和紙・顔料・刷毛を提供する摺り師の名前をエンドクレジットに入れる。
公式ガイドとして解説動画公開:NHKサイトやYouTubeで「ドラマ考証の舞台裏」として短尺動画を配信。
おわりに
木版画は1000年以上受け継がれてきた貴重な技術です。ドラマの演出上の小道具とはいえ、日本独自の文化を正しく伝えるために、視聴者と専門家双方が納得できる再現性を追求してほしいものです。
”私のやっている仕事がこんな風に軽視されていると考えたら、なさけない”とCHATGPTに問いかけると”同情するよ、悲しいことだね”慰めのお言葉が、AIロボが早くできることを祈ります。